製品属性(仕様)

製品画像(様子)

特徴

板金溶接・製缶加工.COMが、工作機械のレトロフィットを手掛ける企業様からのご依頼を受け製作したのは、既存の工作機械に組み込まれる長尺かつ薄板の特殊曲げ製品です。本製品は、8尺（約2.4m）を超える長尺でありながら板厚t1という薄板であり、当初の図面ではU字深曲げに特化した専用金型が必要とされていました。

この難易度の高い加工に対し、設計段階からのVA/VE提案を実施。具体的には、通常のベンディング加工やヘミング加工で対応可能な範囲はこれらの汎用的な加工技術を適用し、U字深曲げが必須となる部分については、別途コの字形状の部品を製作し、それを組み合わせるという工法を提案いたしました。この際、長尺溶接における熱収縮の影響を最小限に抑えつつ、機能要件を満たすための最適な溶接条件と、わずかな熱収縮を許容する仕様変更についてお客様と合意形成を行いました。

特に、長さ2475mmにも及ぶ長尺のコの字部品と既存部分との接合には、ファイバーレーザー溶接を併用いたしました。ファイバーレーザー溶接は、高エネルギー密度で入熱が少なく、低歪みで高品質な溶接が可能なため、薄板の長尺溶接においてその真価を発揮します。これにより、専用金型製作に伴う初期投資を大幅に削減しつつ、高い精度と機能性を両立させた製品の実現に成功しました。
本事例は、古い工作機械の再生を希望されるエンドユーザー様、ひいてはその再生に付随する金型や付属品のコスト削減を課題とされていた金属加工会社様のニーズに対し、当社の提案力と、長尺・薄板の精密加工および先進溶接技術を組み合わせることで、コストと機能性の両立を実現しました。